ウラジーミル・バベンコさんの講演会を聴いて:その3
前々回からの続きで,バベンコさんの講演会の模様をお伝えします。バベンコさんは何よりも「教育」が大切と説き,自分で放射能から身を守る術を市民や子どもたちに伝えています。今後,私たちが汚染された大地や海でどう生き残るのかという処方箋を,学んで行く必要があると思います。


ベラルド研究所では,2003年に教育プログラムを作成し,プロジェクトの枠内で本を発行しました。それが今回の日本語版の原書になったそうです。また,パンフレットを発行し,15分程の教育ビデオを制作,カレンダーを作って放射能を除去するために必要なレシピを印刷して啓発したそうです。

本,パンフレット,ビデオ,カレンダーをセットにしてチェルノブイリゾーンの学校に配布し,生徒数が多い学校には数多く提供しました。その数,全部で200の学校に配布できました。ただ学校でそういったものを渡すだけでなく,ゼミをし,人に集まってもらい,放射能対策をどうしたら良いかのお話会もしたそうです。そういうことをすることによってその人たちから他の人にも情報を交換することができたようです。

また,放射線学実習文化センターを作りましたが,ベラルーシの国からは支援が来ていない中,自分たちの力で支援を海外から受けて作っており,実際にはクラブ活動のようなものだそうです。有志が集まる会とでも言いましょうか,学校の中とか,地域の人有志で結成するクラブ活動を展開したそうです。






放射線学実習文化センターの多くは学校の中に作られておりまして,センターのメンバーは学校で勉強している生徒が中心,顧問はその学校の先生が担当しています。センターにはベルラド研究所からベルラド研究所から食品測定器などを渡しており,地域で取れる食品の測定などを,子どもたちが自主的に行っています。

その例を挙げると,森が周りにある学校では,キノコを拾ってサンプルとして集め,持って帰ってセンター内で測定し,森の中のどの辺りの放射能が高く汚染されているか,どの辺りが低いかを地図にし,自分たちで汚染地図を作ることで意識の強化を図っているそうです。それから,他の学校では牧草地帯があり,牧草を採取して,自分たちで測定しています。他の学校では,キノコを集めキノコの種類によって蓄積に差があるか測定して学習しています。キノコを部分に分けて測定し,軸や傘などを観察し,自分たちで調べているのだそうです。

もし,そこの学校である生徒の体内から多くの放射線が検出されたとしますと,どうしてかと原因を突き止め,土壌からか,食品からか,どのような食品からか,何が被ばくの原因かを子どもたちが調べるシステムになっています。それが農作物が生えていた土壌についても調べます。

このセンターは学校の中にありますが,地域住民に開放されていいます。地域住民も測定を頼めます。放射能の測定結果によって,そのセンターで働いている人や生徒が知っているとアドバイスをすることがあり,情報交換が様々に行われています。センターの他の活動で,ベラルーシのゴメリ州のブラーゲン地区があり『若い家族クラブ』を作ったそうです。そのクラブは,家族会のようなものであり,特に若い人たちが多くを占め,小さいお子さんがいる若い夫婦が中心とのこと。

その家族会で若い夫婦はお茶を飲みながら話し,ブラーゲン地区のある家族会はNGO団体としての登録を受けられました。NGO団体として登録されると,正式に国に対して医療の検査を求めたり公式に出来るようになるのだそうです。しかし,ベラルーシでは正式に登録するのは大変難しいそうで,そのような団体は現在のところまだ一つだそうです。どうしてそのようにNGO団体を正式に登録しないのかという理由は,国がその存在を怖がっているのが理由だそうでもし,日本でそういった可能性があるなら,家族会を作ってネットワーク化をして欲しい,そうすれば日本の皆さんにとても役に立つとのアドバイスがありました。




次回は,その後の質疑応答を載せたいと思います。
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by rosso_fiolencino | 2011-10-18 16:54 | 反原発
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