ウラジーミル・バベンコさんの講演会を聴いて:質疑応答
ウラジーミル・バベンコさんの講演会のその後で質疑応答の場面を掲載して,このシリーズを終わらせたいと思います。


質問者:「一番聞きたい質問は,ベラルーシと比較し日本の汚染状況はどのぐらいだと思われるか?」

バベンコさん:「まず判断材料が私に必要である。そのような情報を得るためには何と言っても測定をしなくてはならない。食品・空間・人体・土壌など全てデータにしなくてはならない。データがあればお答えできるが,なければ単なる予測になる。チェルノブイリ原発事故の方が汚染は深刻だった。福島の方がずっと汚染は少ない。チェルノブイリ原発事故の後は,放射能を含んだ雲は地球を二周回った。ソ連政府は何も発表せず,スウェーデンから汚染が発覚した。日本人が持っている問題は,問題は存在する。しかし,それを過小評価・過大評価してはいけない。チェルノブイリ原発事故よりは軽くても問題はある。問題をかき混ぜてはいけない。そういう問題が日本人の中にあると思う」




質問者:「ストロンチウムのことについて,白血病の可能性が出ることを知った。ストロンチウムで白血病になるというデータはあるか?私には子どもがいて,基準値を何倍も超えたヨウ素やセシウムを無洗浄で食べた可能性がある。後で,出荷自粛するような地域の野菜だった。3000〜4000ベクレル摂取した可能性がある」

バベンコさん:「まず最初に伝えたいのは,セシウムとストロンチウムには相互関係はない。もし食品にセシウムがたくさん入っていても,必ずしもストロンチウムが入っているということではない。ストロンチウムは骨組織に定着するので排出は難しい。ストロンチウムが入らないようにする方法は,卵の殻を使って体内に入るのをブロックするとハンガリーの学者が見つけた。(その方法は)鶏の卵を固ゆですること,ばい菌を殺菌することが出来る。ゆで卵の殻をむき,殻を出来るだけ細かく粉末にする。約2グラム一日に摂取して欲しい。鶏の卵の殻にはカルシウムが豊富でサプリになる。ストロンチウムは骨組織に沈着するが,カルシウムの隙間があると定着する。カルシウムを摂ること,カルシウムが排出されるので常にカルシウムがあるように摂取して欲しい。カルシウムはリンと一緒に摂取すると定着しやすいため,グリーンピース・キャベツ類,紫色っぽい海草,鶏の卵の殻のサプリ。そういったものでストロンチウムの沈着を防ぐことが出来る」

質問者:「最終的にビタペクトやアップルペクチンを選んだ理由を知りたい」

バベンコさん:「一番ペクチンを含んでいると分かったのは,オレンジの実の中心部分である。しかしベラルーシではオレンジは寒くて生えないため,安価で,地元で取れるもので効果があるものはリンゴだった。それでリンゴ由来のペクチン剤を開発した。但し,ドイツの研究者ではいろいろな見解がある。『科学と食品』といった論文では、ドイツの学者が全く効果がないと言っている。しかし,ベルラド研究所では20年間のデータがあり,効果は証明されている。」

質問者:「食品の安定基準としてWHOとしてはセシウムが10Bq/Kgとなっているが、日本政府は500Bq/Kgとしている。それに関してどうか?」

バベンコさん:「食品に関する暫定基準値で『これより上が危ないとか』は、決める際に経済状況やその他様々なことを健康より大切にされている。私は国民の健康を一番大事にすると,基準は0Bq/Kgである。例えばセシウム137は半減期は30年である。自然にはセシウムは見つからない。核実験では増えたが。セシウムの量を量ることの意味は,間違いなく原発事故から出たと言えるから」

質問者:「以前,新聞で福島の子どもたちの鼻血が止まらないと出て,東京でもと出た。埼玉の北部南部全域のお母さんたちから聞いたが,鼻血が出るのがほぼ毎日になった人もいる」

バベンコさん:「もしかすると鼻血の原因は高血圧によるものかもしれない。以前,ベルラド研究所はベラルーシ国内の医療機関と協力して,調査を行った。保養所にいる子どもたちの血圧と心電図をとった。心電図や血圧は医療機関、ベルラドは放射線量。放射線35〜70Bq/Kgの子どもたちは高血圧だった。心臓や循環器系統の異常が見られた。子どもたちの保養をして,ペクチンを投与した。保養所の食事も事前に測定しておき,汚染がない食事を提供した。保養滞在の日数は21日間で,再測定をすると多くの子どもが通常の血圧・心電図になった。それでも異常がある子がいたので,家に帰ってもペクチン剤や汚染のない食品を食べるように勧めた。鼻血はもしかすると放射能からの影響かもしれない。そうなら放射能を排出させなくてはならない。キクイモという植物があるが,放射線汚染地域でキクイモを栽培すると,放射能が蓄積されない。キクイモは根菜で,根っこにも葉っぱにも茎にも溜まらない。更に,キクイモにはビタミン・ペクチンが豊富に含まれているので,子どもに食べさせたい食品の一つである。また,果肉入りのジュースをあげて欲しい。豆類も良い。豆類は放射能を吸着する。食べることによって体内の放射能を吸着する。しかし,土壌の放射能を豆が吸収している場合があるので食べる時には必ず測定する。お子さんが体内被曝を受けていると言うことは,食品から取り込んでいる可能性がある。必ず食品を調べて,具体的に『この食品が汚染されていたので,内部被曝した』とはっきりさせること。被ばくの原因さえ分かれば,対策方法が見つかる。対策方法をとれば,被爆とその影響を避けることが出来る」

質問者:「ウランとストロンチウムの内部被曝の症状について更に教えて欲しい。被ばくを震災前から調べていたのだが,これまで出なかったウランが出た。爪による検査をドイツの検査機関によって調べた。そこで,ウランなどの体内量と健康被害の関係を教えて頂きたい」

バベンコさん:「チェルノブイリ原発事故の場合は,ストロンチウムはあまり遠くまで拡散しなかった。だいたい50キロ圏内。拡散したストロンチウムは穀物に蓄積された。あまり大きな被害を与えたわけではないと評価されていて,あまりベラルーシでは行われていない。また,ストロンチウムを測る機器は高いので,ベラルーシではお金が無く開発できない状況。ベラルーシではストロンチウムに対する研究は少ない。しかし,対策をとる方が良いと思われる。ウランにはいろいろ種類があるが,半減期がとても長い。自然にもあるので,原子力事故からの影響と見極めるのが難しい。残念だが,これ以上お答えできない」

バベンコさん:「最後にメッセージを…親愛なる友人の皆さん。確かに放射能による問題はある。しかし,極端に走らないで,過小評価も禁物。問題があれば解決方法はある。一緒に取り組んでいきましょう」


事故当事国が手を取り合い情報を共有し,先人の教えを実行することこそが子どもの命を守ることになるのだと,そう思いました。
[PR]
by rosso_fiolencino | 2011-10-19 22:28 | 反原発
<< 私と反原子力 ウラジーミル・バベンコさんの講... >>