批判能力を失ったマスコミ
かつて、9.11ニューヨークテロ事件以来、21世紀初頭の世界は、歯車を狂わせたように、突き進んで行った感があります。

しかし、そんな中でもテロ事件の背景やその後の「アフガニスタン」における戦争の傷跡を2001年当時のマスコミは、まだ「批判」していた、或いはその批判の内容がきちんと、構築されていたのでは?と、思います。



ブッシュ政権の石油業界との癒着。
その背後にはビン・ラディン氏の影をマスコミや週刊誌は、暴露していたのを、まだ鮮明に記憶しています。

その時、私は職場のストレスで病気休暇を余儀なくされましたが、マスメディアの動向を確実にキャッチして、日々を送っていました。その時に欠かさず観ていたのが、TBSテレビの「筑紫哲也のNEWS23」と久米博氏の「ニュースステーション」でした。


しかし、最近この番組を見なくなりました。個人的に「ニュースステーション」の久米氏のキャラクターがあまり好ましくなかったので(今となっては、高く評価しています)筑紫哲也さんのNEW23が好きな番組でしたが、番組のHPや久しぶりに彼の「多事争論」を観るに、批判能力が削がれているかのように感じます。

彼はかつて、朝日新聞社の気鋭のジャーナリストとして「ベトナム戦争」における沖縄の現状などを取材し、その経験と彼自身の世相を鋭く見る視点は、多くのファンが今もなお、存在していると思います。

さて、今年9.11選挙速報で、かつてのライバルだった久米氏とコンビを組み、選挙速報を報道していました。

が、

私だけでしょうか?

筑紫氏は出口調査の発表後、5分か10分で自民党代議士の当確が発表され、出口調査とほぼ、似た展開の選挙結果に顔面蒼白していたように見えました。そして、選挙の結果がほぼ決定し、岡田代表がすっかり意気消沈した、表情を見せはじめたころ、社民党の福島代表と辻本議員に向かって、彼はこんな言葉を彼女らに投げかけたのを記憶しています。

「私は社民党の政策は良いと思うけど、国民はそうでない、これは国民が悪いのか、社民党が悪いのか?」これは、正確な台詞ではありませんから、私の記憶の範囲での言葉ですが、彼自身、この選挙で自民党がこれほど「大勝」するとは思ってもみなかったのではないのでしょうか?

また、「報道ステーション」では古舘氏になって、毒気づいた久米氏と違った報道のあり方があるのだとさほどは、期待していたわけではありませんが、郵政民営化の報道で、
新党日本の小林氏が「郵政民営化法案が昨年行われた小泉-ブッシュ会談の合意を受けて進められたものであることをマスコミはまったく取り上げない」とか、「米国の対日要望書のなかにもきちんと書かれている」と発言したときである。(共産党の市田氏も、米国の銀行業界や生保業界が日本にやってきて郵政問題で交渉をしている問題を取り上げた)

小林氏の発言を聞いた古舘氏は、突然、「340兆円がハゲタカにたちまち食い散らかされるなんて信じられるわけないでしょ。」「日本がアメリカに340兆円の金融資産を引き渡すなんてことがあるわけないじゃですか!」と声を荒げて反論した。

「株式日記と経済展望」より抜粋

 
                  
これは、明らかに「情報の統制化」と言わなければなりません。

また、選挙前日に、田原総一郎氏が各党の党首を招いて、選挙戦のアピールを討議させましたが(途中、小泉氏は靖国問題を彼から指摘されると、憮然として勝手に番組を退席した)発言の機会をまともに与えられたのは、小泉氏と岡田氏、つまり「二大政党」という構図を展開したかったのでしょうか?

社民党の福島氏が何度も、発言を求めているのにもかかわらず、彼女はまるで「蚊帳の外」におかれた状態で、第三者の意見は共産党の志井氏に発言させる始末。明らかな意図的なものを感じます。

ただ、後日、私はさる同僚から、聞いた話によると、その選挙結果を総括した田原氏は、社民党と共産党は一貫し平和憲法を守るべく闘った政党であると一定の評価をしたそうです。

さて、話題は筑紫氏に戻りますが、彼に何らかの「圧力」がかかっているのかと、懸念しています。またTBSは、楽天との株を巡って「論争」が耐えませんが、不況の中、番組を制作する活力を失った民放は、体制批判=政府・大企業=スポンサー批判という、ネックを抱えているのでしょう。

個人的な話ですが、私がTBS本社にあることで、直接電話で、話を持ちかけたことがありますが、受付の女性から長く、担当の方に引継ぎされるまで待たされて、ことの次第を切り出したとたん、その話は、もう受け付けたくないと、まるで、精神的に疲労困憊の状態でまともに話ができる状態ではありませんでした。おそらく過労によるものだと思いましたが、私は憮然としました。

また、ニュースステーションに関しても、同様の相談をしましたが、受付の女性がこちらが話の筋道をつかもうとしているのに、根掘り葉掘り聞きだす姿勢で、甲高く嫌にハキハキとした言葉で言う口調に辟易したものでした。

本来、ジャーナリズムとは何でしょうか???

戦前の「大本営発表」となる、マスコミになる日がそこに近づいているのかもしれません。
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by rosso_fiolencino | 2005-11-15 19:31 | 政治・時事
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