米軍鹿屋基地移転問題

前回の記事に触れまして、防衛問題を書き記してみたいと思います。賀防衛庁長官が、鹿児島県を訪れ、同県内の鹿屋市にある海上自衛隊基地に沖縄米軍普天間基地飛行場の、空中空輸機17機移転を巡って、伊藤県知事と鹿屋市長の山下市長の元を訪問し、その計画を説明しました。






額賀長官は、鹿児島県庁にて、重ねて移転に関する説明をしましたが、ここに至って、伊藤知事は反対を表明し、「沖縄知事が反対している以上、賛成できない」と発言しました。

ちなみに、この現在の鹿児島県知事のことを記述しますと。

かねてからこの知事は「総務省」の官僚に長く在籍し、知事選挙戦の時は「田原総一郎」等の広告塔を作り上げ、鹿児島県知事になり1年余り経っています。もっとも、中央官僚の色彩が強く、特に県の財政難や県民の状況に疎いこの知事は、義務教育費国庫負担法の堅持には、後ろ向きであり、「マニフェスト」には、「全ての小中学校に30人学級を」という、公約を掲げていましたが、県の主だった部下からは、「財政再建団体」に転落しかかっているのに、知事は何を考えているのか?という声があり、さすがのこの知事も県内の厳しい財政状況の現実を突きつけられ、小学校の低学年だけに30人学級を設置したという、過去の経緯があります。

そんな、県民の実態に疎い「中央天下り官僚知事」も、今回ばかりは、次のような条件で、「反対」を表明しました。

1 米軍再編は地元の合意なしでは進められない。

2 沖縄の負担軽減が原点であり、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意を確実に実現して欲しい。

3 岩国に移転予定の空中給油機が鹿屋に移駐するのは負担の押しつけの付回しで納得できない。

さて、肝心の地元鹿屋市の山下市長との会見では、それが1時間に及び、額賀長官の「日本国の立場から負担をお願いしたい」との発言。
この発言は、額賀長官はアメリカの代理人であり、日本の地方自治体をアメリカの極東アジア戦略の防波堤にするという意思を、そのまま伝えただけであり、地元住民や自治体の抱える様々な「負担」を、全く考慮しない「暴挙」に等しいことだと思います。

山下鹿屋市長は、重ね重ね、「反対」を表明し、「騒音被害など、鹿屋基地の実態をつぶさに説明した。最終合意の中で、鹿屋基地は(移転先として)不適当だと受け取ってもらいたい。現段階で合意点、接点はない」と厳しい表情で語ったようです。
さて、このアメリカの「代理人」額賀長官は、「辛い思いをする地元住民の負担を最小限に抑えるための具体策を探り誠心誠意努力をしたい」「市民と自衛隊の間には類例を見ないくらい良い協力関係ができている。空中給油機移転によって、その関係を壊さないように、騒音などの問題解決にこたえていきたい」と述べました。

随分、ご大層な「リップサービス」でしょうか!

確かに、現地ではP3Cが、夜中から朝は明け方未明まで、エンジンを暖機運転させる騒音があり、ジェット機ほどの激しい騒音ではありませんが、この暖機運転の騒音が、断続的に長時間続くこともあり、私がこの地にいた時は、一晩中眠れないこともしばしばでした。

何故、この地の自衛隊との関係が良好かと言いますと、この基地の大半の隊員が地元出身者が5割から6割を占めている実態があるからで、もし、米軍の海兵隊や関係兵員が来れば、地元住民の不安が一層増すことは火を見るよりあきらかです。それは、沖縄における米軍による市民への「暴行事件」の数々や「日米地位協定」なる、「差別的」な制度がどれだけ、地元住民を苦しめるものか、過去の事実を直視すれば、良く分かることです。

一方、鹿屋市民団体40名が鹿屋市役所の前で、「シュプレヒコール」を挙げました。おそらく私が過去、お世話になった「平和センター」の職員の方もいらっしゃったと思うのですが、「額賀長官は早く帰れ!」「海兵隊は来るな!」「(反対を表明している)山下栄市長、頑張れ!」との声に、私も大きな声援を送りたいです。(もし、まだ私がこの地にいたとして動員要請がなくても参加することでしょうが…)

「反戦反核平和運動をすすめる大隈市民の会」の事務局長の「非民主的な押し付けの説明はいらない。山下市長を応援しながら、市民の間に反対のうねりをつくる」という言葉に、まだ、地元住民の決意を改めて感じさせられました。

※参考資料として、各自治体における関係首長の発言を掲載しておきます。

・山下栄(鹿屋市長)
(空中給油機を移転する)鹿屋基地は普天間と一緒で市街地が取り囲んでいる。今でもヘリ騒音の負担は大きく、さらに負担を大きくするのは理解できない。

・伊藤祐一郎(鹿児島県知事)
沖縄の合意がなければ進まない話で、(鹿児島県が)具体的な対応を考えるのはその後。SACO最終報告の変更は、政府にとってきわめて難しいプログラムではないか。報道先行で、国から関係自治体への説明が遅れたことは遺憾。いずれにしろ、地方合意を前程にしてほしい。

・稲嶺恵一(沖縄県知事)
(普天間飛行場の新移設案は)絶対容認できない。以前検討された案であり、多くの問題を抱えていた。(海兵隊7000人削減は)かねて県が主張する「海兵隊の県外移設」に合致するもので高く評価できる。

・岸本健男(名護市長)
滑走路の位置と方角を考えると、そのままでは受け入れがたい。国と協議を深めたい。

・儀間光男(浦添市長)
嘉手納基地以南の基地返還は、いいことかもしれないが、県北部に過重な負担を押し付けるのは県民として複雑だ。

・安藤忠恕(宮崎県知事)
国に訓練回数や夜間訓練を行うのか尋ねても答えてもらえなかったり。知りたいことが分からず、不安が先行している。

・麻生渡(福岡県知事)
基地を減らしてもらいたいとの沖縄住民の痛切な気持ちは考えないといけない。

・松沢成文(神奈川県知事)
神奈川県の基地負担の軽減につながっていない。むしろ負担強化になっている。

・藤田雄山(広島県知事)
宮島の厳島神社で催される歴史ある行事を、爆音がとどろく状況下で承認できるのか。
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by rosso_fiolencino | 2005-11-23 12:11 | 政治・時事
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