プルトニウム300キロ行方不明・米ロスアラモス研究所
私が環境問題で最も取り返しのつかない問題として、「核汚染」を第一に考えますが、先月の11月30日に米「ロスアラモス研究所」にて、プルトニウムが最低でも300キロ。最悪のケースとして、可能性は低いと説明していますが、1000キロを超える量が行方不明になっています。

ロスアラモス研究所といえば、第二次世界大戦中、「マンハッタン計画」により、広島・長崎に投下された原爆を「実験・研究・製造」してきた人類史上、最悪の「核兵器」を誕生させた施設であります。アメリカ、ニューメキシコ州に存在し、初代所長は、物理学者のロバート・オッペンハイマーで、「原爆の父」と言われています。1945年7月、初の核爆発実験に成功。現在、1万1300人が関与し、年間の予算は約22億ドル(約2600億円)の巨額な資金が投入されています。



米シンクタンク研究所の一つである「エネルギー環境調査研究所」の報告によれば、杜撰(すさん)な管理と正確な記録を残さず、そのまま処分場に廃棄された可能性があり、その一部は「盗難」にあった可能性も否定できないとしています。

1996年~2004年に発表されたエネルギー省や、同研究所のデータを精査し、核製造の過程で生成されたが、実際兵器に使用されなかった大量のプルトニウムの所在が、そのデータ上、確認できておらず、そのつじつまがあわない量のプルトニウムが、行方不明になった原因を、次のように理由を付けて説明しています。

1 研究所内の処分場に廃棄された。

2 記録をせずに、研究所外の埋め立て処分場に搬送された。

3 盗難に遭った。

この中で、最も懸念し、恐れなくてはならない項目は言うまでもなく、「3」の盗難に遭ったという可能性であり、もし、この大量のプルトニウムが、少量でも「流失」したとなると、「核テロ」の危険性がいっそう増し、その現実味を帯びてきたということに他なりません。

何故ならば、プルトニウム6キロで核兵器製造が可能であり、もし、300キロが、何らかの形で外部に「流失」したのならば、単純に計算しても、核兵器50個分に値するという、恐るべき試算があるからです。

核分裂を起こす核爆弾を製造するのは容易なことではないと思いますが、もし、大学等の研究所で製造しようと思えば、製造も可能であると聞き及んだことがあります。そうでなくても、世界各地で「テロ」が多発していますが、核物質による核爆発を誘発するような、爆弾を製造できなくても「放射能汚染」を撒き散らすためだけの「ダーティーボム」つまり、普通の爆弾に「核物質を挿入」するだけで、恐るべき「兵器」が出来てしまうのです。

湾岸戦争や今回のイラク戦争では、「劣化ウラン弾」による核汚染と、それによる人々の甚大な被害と、環境汚染が深刻化していますが、あの劣化した「ウラン」で製造されたものでさえ、あのような惨禍を招くわけですから、この地球上で最も危険性の高い「プルトニウム」であるなら、それが「テロ」等に悪用されてしまったら、それこそ、取り返しのつかないことになります。

核の管理が杜撰なのは、今回のアメリカに限ったことではありません。ロシアの「核流失」の問題は過去深刻な問題として取り上げられ、国際テロ組織に流失した可能性も指摘されています。

では、日本国内ではどうかと申しますと、ここ最近の新聞等の記事を見ても、ちょくちょく核関連施設での「トラブル」が紙面を小さく飾っていますが、原発の核の管理や報告がやはり過去数年間、杜撰であったことがニュースになったのを記憶しています。

今回、皮肉にも第二次世界大戦時における「広島」「長崎」に投下された「核爆弾の産みの地」において、杜撰な管理下で、このような事件が起きることは、私たちにありとあらゆる、核問題の深刻さを訴えた形になりました。

用語解説・プルトニウムとは?



グリンピースジャパン・ストップ!プルトニウム


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by rosso_fiolencino | 2005-12-06 20:07 | 政治・時事
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