自衛隊官舎ビラ配り・不当判決に思う
昨年'04年2月、自衛隊イラク派遣に反対する市民団体の方々が、住居侵入罪に問われ逮捕されるという事件が起きました。一審の昨年12月の東京地裁八王子支部の判決では、「被告らの行為は住居侵入罪にあたる」としながらも、最終的には「憲法が保障した政治的表現活動で、放置状態の商業的宣伝ビラ配布より優先される」として、「動機は正当で、被害の程度も極めて軽い」として無罪が言い渡されました。



しかし、東京高裁は12月9日。全員を無罪とした一審を破棄、一転して「有罪」を言い渡したのです。この判決の中で、高裁判決は「政治的意見の表明が言論の自由で保障とされているとしても、管理者の意思に反して立ち入ってよいということにはならない」と指摘し、「立ち入り禁止の掲示板を表示した後や、住居者による抗議を受けても、さらに同じ行為を繰り返すなどしている」として、「住居者が受けた不快感などからきわめて軽微と言えない」として、一審の判決が覆されました。

私がこの知らせを知ったのはずっと後のことで、去年の夏以降に組合関係の新聞にさわりの部分だけ、記述されていました。正直、「本当にそんなことがありえるのか?」と半信半疑でしたが、次第に国家権力の圧力を感じさせられる出来事に、恐怖感すら漂わせたものでした。

それから、先週の土曜日になって上記のような「不当判決」のニュースを知り、さらに「市民運動」を萎縮させるような事態に「これはもう、市民運動もデモも、ビラ配りも、選挙運動もできない!」と日本の司法のあり方をただただ疑うだけでした。

会見した、市民運動の方々は「起こったことが飲み込めない。日本社会が裁判所を含め市民の自由を奪う兆候を示している。許せない」「日本の民主主義にとどめ刺してしまう判決だ」と悲痛な思いを訴えかけています。

この背景には、イラク派遣に関する政府の方針と、今年から圧勝した小泉自民党の支配の原理があるのではと思います。また、「自衛隊官舎」という「特殊」な環境下で起こったというのも見逃せません。昨年は、ある一定の条件は言い渡したものの「無罪」で今年の判決は「有罪」というのであるならば、以上の推測が成り立ちそうです。

「不法侵入」がこの裁判の論点になっていますが、「玄関先」であるならば、法的に言えば廊下やベランダは室内に当たらず、公的な空間であったと私は認識しています。では、この判決が極端に解釈されるならば、例えば「選挙」の時のビラ配りもそれに当たるのでしょうか?

また、一審では「商業ビラ」より優先されるという判決の精神は、一体、どこへ行ったのでしょうか?また、何のための「三権分立」なのでしょうか?

「共謀罪」が成立すれば、もっとこのような事例が「多発」し、市民の運動の場が失われることを、かなり憂慮しなくてはなりません。

追記:岩波ブックレットから関連の書籍が出版されたようです。是非この機会に、通読してみたいと思います。
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by rosso_fiolencino | 2005-12-13 18:17 | 政治・時事
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