アメリカ産牛肉輸入再開について・その3
前回、前々回の記事から「異常プリオン」が原因とされる「肉骨粉」がBSEを招いたと記述しましたが、この「異常プリオン」とは何だったのか、皆さんは充分ご承知のことでしょうから、あえて書く必要性はないのかも知れません。ここでは私自身の、過去の記憶を振り返り、そして現在を考えていく材料として見たいと思います。

その「異常プリオン」とは、「タンパク質」が変異したもので「正常なプリオン」との違いは、その構成されている「アミノ酸」は同一でありながら、その構造に異変が生じている「タンパク質」のことです。




プリオンは、元来人々や動物が普遍的に存在する「タンパク質」であり、「正常なプリオン」は脳を構成している神経細胞の働きをコントロールしている存在です。

さて、その「異常プリオン」が非常に厄介な存在でして、これを煮炊きしても、冷凍しても、通常の調理法はおろか、100℃以上の高熱を加えても、ホルマリン等の薬剤で処理しても、さらには酸、アルカリ、タンパク消化酵素、紫外線、放射線でも、それを破壊することは出来ないとされています。

このことから、牛の飼料に使われる「肉骨粉」にその「異常プリオン」が存在し、どんなに加工してもその中に「異常プリオン」がある限り、牛の飼料はもとより、ありとあらゆる加工食品もそれが含まれると言う可能性は、一部の場合を除いて(私が知る限りでは牛乳や乳製品等)はありえると言うわけです。

では、どのようにしてこの「異常プリオン」は私たちの体内に取り込まれてしまうかと言いますと、上記、「ホルマリン」や「タンパク消化酵素」に対する「耐性」があるとするならば、胃液や小腸で消化されず、そのまま体内に蓄積されるか、排出されるかと言われています。これが過剰に摂取されると、もともと脳内にある「正常なプリオン」が「異常プリオン」との接触で、次から次へと「異常プリオン」に変化してしまうということまでが分かっていますが、現在のところ詳細についてはよくわかっていないようです。(もし、このことに関して詳しい情報があれば、ご教授くださればと思います)

私は、2001年の秋、このことを知る以前は「牛肉そのものに問題があるのなら、高熱で処理すればいいのじゃないのか?」という程度の認識しかありませんでした。通常、もし、食材に問題があれば昔は「過熱して殺菌」して調理すれば、細菌やバクテリアなどのほとんどは死滅するという考えにとらわれていたからです。しかし、「異常プリオン」という「タンパク質」そのものが原因であり、様々な加工を施しても、その影響が残るのであれば、これほどパニックになるはずがありません。では、牛のどの部位が危険なのかと言いますと、次のようになっています。

最も危険な部位:脳・脊髄・目中枢神経に関係する部位。

その次のランクとして:回腸の末端部・リンパ節・胎盤・扁桃・硬膜・脳脊髄液・近位結腸・副腎等主としてリンパ組織に関する部位。


とされています。

18日、成田空港にて第一便の北米産牛肉の輸入が2年ぶりに再開されました。国内のある大手食品会社が輸入元となり、米国産の冷蔵牛4.3トンと横隔膜、舌などの内臓0.3トンの計4.6トンがそのうちわけです。'03年12月に米国にてBSEの発生があり、その影響で輸禁されて以来、12日に輸入再開を決定して、わずか4日での拙速な再開という感があります。

過去、日本とアメリカは「牛肉」「オレンジ」「米」に関する輸入問題がありました。そのたびに、「日本の農業」にどんな弊害をもたらしたことでしょう。食料自給率が先進国でも低いこの日本で、この力関係の外交でどれだけの弊害が起こるのか、懸念とある種の怒りを感じざるを得ません。

このテーマは明日まで続けたいと考えています。
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by rosso_fiolencino | 2005-12-25 16:27 | 政治・時事
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