小泉首相年頭会見と三位一体「改悪」について・その2
前回に引き続き4日の小泉首相の年頭の記者会見の記事を記述してみたいと思います。

会見の中で、自らが必ずやればトラブルになると分かりつつも「靖国参拝」をしたことで中韓の外交関係が冷却したことに関し、まるで開き直った子どもじみた態度で次のように批判しています。「一つの問題で他の交渉の道を閉ざすべきではない。外国政府が心の問題に介入して、外交問題にするのは理解できない。(日本側の)ドアは開いているわけだから、あとは先方がどう判断するかだ」



昨年は「粘り強く中国の理解を得られるよう努力したい」という外交努力の文字が完全に消去されたことで、今後9ヶ月間、日中韓は冷却した外交関係を続けないといけないのでしょうか。私はロシア外交も去年は芳しくないという印象を持ちましたが、エネルギー問題と国内の経済問題を少しでも解決する姿勢があるのなら、上記のような内外に「強気一点張り」の姿勢ではまず、エネルギー問題で日本はアジア諸国で後れを取り、ますます経済問題は深刻化していくのかもしれません。実際、ロシアの石油パイプラインは日本に本格的に到達していませんし、東シナ海の海底油田に関してはその後どうなったのか詳細な報道を私はまだ聞いていません。

彼、小泉首相は経済政策の成果を次のように自画自賛しています。「不良債権処理は、目標どおり正常化の道を歩んできた。各企業も業績を上げている。大方の人が、日本経済が回復の道を歩み始めたと感じる状況になった。今後も改革を続行し、この景気回復軌道をしっかりしたものにしたい。個人や企業、地域にやる気を発揮してもらうことが一番大切だ」私は、経済の門外漢なのでこういった記事を書くのは非常に忸怩(じくじ)たる思いもあるのですが、素人の私が考えても本当に景気が回復したと実感はしていません。景気の回復とはあの80年代のバブル経済の水準まで持っていくとするのなら、それは当面無理な相談だと考えます。あのような状況がまるで「機械仕掛けのおもちゃのカーニバル」というイメージがあるのですが、あの当時はアメリカの文化と言える映画産業やフランスのワイン工場、さてまたハワイの観光地まで買収していた時代でしたから、21世紀は環境問題を克服して明るい未来を構築するといった世相を感じていました。

私は、あの当時の水準を望んではいません。むしろ環境問題を引き起こすだけでしょうし、他国の「文化」まで金で買えるという商業主義の極みという状況を見るだけで、嫌気がさすからです。ただ「持てる者」「持てない者」の「格差社会」を強く弾劾したいのです。上記のようにもし、経済回復がしているのなら、それがこの社会のほんの一部の「富裕層」がやや世俗的な表現を使えば「儲かっている」だけであり、未だ、雇用体制は厳しく、派遣社員やパート労働者の諸権利や賃金・労働問題は厳しいものが依然としてあると聞きます。正社員はさらにリストラされた人員のマンパワーダウンと闘いながら、また、対アジア労働者との賃金の安さと長時間労働の犠牲になりながら、激務を強いられている状況です。

経済格差の不満はやがて社会全体の不安と、閉塞感を生み、社会が不公平感を増大させ、場合によっては行き場を失った人々が、様々な犯罪を犯してしまうというこの国の構図を見抜かなければなりません。国家が進んで格差社会を生み、経済的に余裕のない人々が追い詰められるような状況を是正していくこと「最優先事項」とするべきです。

3年位前だったか記憶にありませんが、その時のTBSニュース23の報道で「町工場」の方が番組のインタビューの中で「景気は回復しましたか?」との問いに「全然その兆候はない」といった趣旨の映像を記憶の片隅においていますが、日本の経済と産業基盤を支える町工場の存在が危機に瀕しているという内容の番組であったため、その印象が強く残っているのでしょう。

日本製の製品が他国の製品との価格競争に晒されている状況を、今の為政者はどう見ているのか?また、対中貿易が対米貿易を上回った状況を長期的に考えれば、これらの問題を総合的に理知的に冷静に受け止め、政府は大きな期待こそしなくても、少しずつ前進していく外交努力をするべきです。その外交交渉を事務レベル、閣僚レベルで粘り強く交渉していき、うまく「落としどころ」を見つけられたら、双方にとって「利」のある外交・経済政策が進展すれば、自ずと国内のそれぞれの産業が活力を得られれば、少しずつ「閉塞感」から「展望のある国づくり」へと行くのでしょうが、あの独裁者小泉には、それがテンで理解できない、またそれを支持するマスコミと世相は、自分の首を自分で締め上げているのに気がつかないか、分かっていてもできない状況をここまで作り上げたこの国の行く末を、大変憂慮しています。

彼の言う「三位一体改革」でありとあらゆるものを切り捨てて、スリム化した行政サービスが景気をよくしたという単純な「刷り込みに」騙されてはいけません。
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by rosso_fiolencino | 2006-01-08 15:56 | 政治・時事
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